2分離回収、全固体電池、COF、排熱発電、アップコンバージョンなど持続可能な社会の実現に向けた革新的技術開発。">

共有結合性有機骨格(Covalent Organic Framework, COF)は、2005年(2次元COF)と2007年(3次元COF)に初めて報告された比較的新しい材料ジャンルであり、2025年のノーベル賞の対象となったMOF(金属有機構造体)をより発展、進化させた材料系です。COFは最近日本でも認知され始めています(ファインケミカル2025年6月号、日本化学会 技術開発フォーラム 2026年2月)。これは、原料となる2種類の異なる結合の手(縮合官能基)をもつ部品分子(ビルディングブロック分子)を共有結合で繰り返し結合させて周期構造(周期孔)を形成する、ナノスケールの構造をもつ結晶性の有機固体です。COFはいわば分子の幅の棒からなるジャングルジムであり、分子より細い物質はないため、作りうる最も微細なジャングルジムと言えます。ビルディングブロック分子の選択によりジャングルジムの棒の機能と長さ(孔の大きさ)を選択できることから、ある程度予測的に機能と孔サイズをデザイン可能であり、基本的にC, H, N, Oなどの軽元素のみからなるため、軽量で廃棄が容易であり、環境親和性が高い点も長所です。また、共有結合の高い安定性は材料の耐熱性と耐久性に寄与し、様々な応用に有利となります。COFはこのような多くの特長をもつことから、これまで多くの有望な応用が提案されています。
当研究室ではCOFを2017年から研究し始めており、これまで核生成制御による高品質結晶の成長(Chem. Commun. 2021、ニュースリリース)、複合蓄熱材の創出(Mater. Horiz. 2023、ニュースリリース)、構造異性体の生成による骨格構造の多様化(JACS 2024、ニュースリリース)、新構造と卓越したCO2分離回収性能をもつCOFの創出(Nature Commun. 2025、ニュースリリース)、新構造と双極回転子をもつ電場応答性COFの創出(JACS 2025、ニュースリリース)に取り組んできています。現在、私たちは、上記2点の社会課題は、結晶性有機多孔体であるCOFを材料基盤として用いることにより解決でき、社会実装に至れると考えており、日々研究に取り組んでいます。また、我々はCOFから派生した各種新技術、材料を基にしたスタートアップ創出を目指しており、現在同志と連携パートナーを募っています。